USB ドッキングステーション使用時の Wi-Fi パフォーマンスおよびワイヤレス機器の問題について

Last Update: October 19th, 2023
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この記事では、「USB 3.0 機器と Wi-Fi 機能が起こしうる相互干渉の問題」とその対処方法についてご説明しています。

USB 3.0 周辺機器と、Wi-Fi アダプターやワイヤレス機器用レシーバーが物理的に近い位置で PC に接続されていると、お互いの電波干渉によってワイヤレス機器の動作やパフォーマンスに問題が起きることがあります。これは Plugable 社製品固有の問題ではなく、どの USB 3.0 機器とワイヤレスや WiFi 機能でも起こりうるものですが、環境によっては全く発生しないこともあります。

この問題については Intel 社が 2012 年 4月にホワイト・ペーパー(英語)を公開していますので、技術詳細について知りたい方は参照してください。


Wi-Fi ネットワーク – Wi-Fi 干渉

この問題が Wi-Fi 機能やレシーバーに影響を及ぼしている場合の対処方法は下記のとおりです。使われている PC モデルや周辺機器はユーザー環境によって異なるため、ただ一つの解答というものはありません。しかし下記のいずれかの方法を使うと、ほとんどのケースで解消できると考えられます。

  • オプション 1 – 物理的に遠くに設置する。

システムから、USB 3.0 機器をそのケーブルが許す限り遠くに移動させてください。これによって USB 3.0 と Wi-Fi 機器を物理的に遠ざけ、両者の信号間干渉を低減させます。USB 3.0 機器が Wi-Fi ルータなどのごく近くに設置されていて同様の問題がある場合にも、この方法が役立ちます。 

  • オプション 2– 別の USB ポートを使用する。

システムに複数の USB 3.0 ポートがある場合、それまで使っているポートと反対側にあるポートに USB 3.0 機器を接続してみてください。これは「オプション 1」と同じアプローチです。内部マザーボードの Wi-Fi アンテナと近い場所の USB 3.0 ポートを使用しないようにすると、問題が解消することがあります。また、もしもシステムに USB 2.0 ポートもついている場合、こちらを使って検証してみるのも役に立ちます。(なぜならこの信号干渉の問題は、データ通信速度が異なる USB 2.0 機器では発生しないからです。)

  • オプション 3 – USB 2.0 機器として使用する。

USB 3.0 機器を、あえて USB 2.0 機器として使用することもできます。こうするために一番簡単なのは、接続に USB 2.0 ケーブルを使用することです。USB 3.0 機器は USB 2.0 に後方互換性を提供することになっていますので、USB 2.0 ケーブルを使用することで USB 2.0 として稼働させ、信号間干渉を回避することが可能です。

  • オプション 4 – 5GHz Wi-Fi を使用する。

    現在使用されている Wi-Fi には 2.4GHz と 5GHz の二種類があるため、Wi-Fi ネットワーク側を 5GHz に変更することでも、当問題を解消できます。もしも Wi-Fi ルータと Wi-Fi ネットワーク・アダプタの両方が 5GHz ネットワークに対応している場合にこのオプションを選択できます。5GHz 周波数であれば USB 3.0 信号との相互干渉が生じることはありません。

  • オプション 5 – 別の Wi-Fi チャンネルを使用する。

    もし Wi-Fi ネットワークを 5GHz に変更できない場合でも、「2.4GHz のチャンネルを変更する」と効果がある場合があります。Wi-Fi 接続が使用する 2.4GHz 帯域には、少しずつ周波数の異なる 11 のチャンネルが用意されています。そのうち米国内で最もよく使用されているのは 1、6、11 の 3 つです。使用されている Wi-Fi ルータの取扱説明書などに、チャンネルの変更方法が記載されていることがありますので確認してみてください。もっとも効果的と考えられるのは、今まで使用していたのと一番遠いチャンネルを使用することです。例えばチャンネル 1 を使用していたのであれば、11 に変更してみる、などです。


ワイヤレス・マウスとキーボードなど – RF(ラジオ周波数)干渉

上記の手段は WiFi 接続自体の問題解消に役立つと考えられますが、「RF 干渉」と呼ばれる別の問題が生じることもあります。ワイヤレス・マウスやキーボードなど「専用のドングルタイプのレシーバー」を使う機器のレシーバーは、多くの Wi-Fi アダプターと同じく 2.4GHz 無線周波数帯で動作しているためです。

USB 3.0 ポートへ接続している状態で、カーソルがバッテリー切れの際にみられるような変な動作をしたり、キーボード入力が反応しなかったり、一部のキー入力が認識されないなどの症状が出ることが報告されています。

この干渉を回避するには、下記2つの方法が考えられます。

  • オプション RF-1 - USB ワイヤレス・レシーバーを、システム、USB ハブ、USB ドッキングステーションなどの USB 2.0 ポートに挿す。多くの場合、USB 2.0 にレシーバーを移動させると問題が解決します。
  • オプション RF-2 - USB 2.0 ケーブルを使用する。レシーバーをドッキングステーションやハブの USB 2.0 ポートに移動しても効果がなかったり、ドッキングステーションやハブに USB 2.0 ポートがないことがあります。そのような場合は、短い USB 2.0 延長ケーブルを使用すると問題が解消できることがあります。実は、多くのワイヤレス・マウスやキーボードには、まさにこの理由のために短い USB 2.0 ケーブルがついてくることがありますのでパッケージをご確認ください。


一部の Windows システムにおける「インテル® マネジメント・エンジン」での問題

あまり一般的ではありませんが、Windows PC の一部のモデルでは「インテル マネジメント・エンジン(Intel Management Engine)」が原因で、キーボードやマウスの動作が不安定になることが報告されています。この問題と回避方法については、下記のナレッジベース記事を参照してください。

ドッキングステーションなどに接続したマウスやキーボードが、同じ文字を何度も表示したりカーソルが飛ぶなどの問題をおこす

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