Plugable Help Center

Plugable 社製 MST 機器は、どのようなノート PC で使用できますか?

Learn if your laptop is compatible with Plugable MST products.

Written by Product Owners

Last published at: July 25th, 2023

 

MST(Multi Stream Transport: 複数ストリーム転送)は、1 つのグラフィック出力ポートから複数のモニタに接続できるようにする機能で、DisplayPort 1.2 以上に実装されています。この機能は、複数グラフィックポートをもつ MST ハブと呼ばれる製品を使う、あるいは MST 対応の複数モニタをデイジーチェーン接続して使うことができます。

 この機能自体はグラフィック出力ポート側が対応していれば「それ用のデバイスドライバ導入不要」のため、ホットデスクやリモートオフィスなどの構成にとって便利です。ただし、MST 機器を使う際にはいくつか注意点があります。

 

1. 対応するモニタ解像度

Plugable 社が販売している MST 対応機器は、基本的には4K@60Hz 解像度のモニタを 2 台接続することができます。ただしそれは、接続されたシステムの CPU 能力に依存します。比較的古い Intel CPU(第10世代 Ice Lake や、第11世代 Tiger Lake)を搭載した PC システムでは、MST 機器を介して接続された 2 台の外部モニタ出力が 4K@30Hz または 1080p@60Hz までに制限されることがわかっています。

 

Plugable 社内での検証結果によれば、Plugable MST 機器を使用する際には DisplayPort 1.4 対応(Intel 第12世代以降の CPU)を搭載したノート PC であれば、2 台の 4K@60Hz モニタを同時接続することが可能です。これ以前の DisplayPort 1.2 までに対応したポートの場合は、通常 1080p@60Hz 解像度モニタ 2 台までに制限されます。

 

2. ARM ベース CPU との互換性

ARM ベースの CPU を搭載した PC システム(Windows、ChromeBook)は、通常 MST 機能をサポートしていません。MST をサポートしているかどうかは、そのシステムが搭載している特定の SoC(チップ)の能力や技術仕様に依存しています。たとえば、Texas Instruments 社製 DRA829J チップは MST 対応ですが、MediaTek 社製 MT8127 チップは非対応です。

もし自分の使用している ARM ベースシステムが MST 対応かどうかは、その PC システムの技術仕様書で「システム搭載の CPU が MST 対応である」の記載があるかを確認してください。

Mac システムは、MST 機能に非対応です。したがってデュアルモニタ対応の製品を使ったとしても、接続できるモニタ数は 1 台に制限される点に注意してください。 

さまざまなノート PC と、それがサポートするモニタ数および解像度の例

Plugable 製品

PC システム

CPU

OS

対応モニタ解像度

UD-MSTHDC

(日本未発売)

Dell Inspiron 15 5515

AMD Ryzen 5 5500U

Windows 11

4K 60Hz x2

UD-MSTHDC

(日本未発売)

Google Pixelbook

7th Gen Intel

ChromeOS

4K 30Hz x2

UD-MSTHDC

(日本未発売)

HP Chromebook 14at-na100

Intel Celeron N4500

ChromeOS

4K 30Hz x2

USBC-MSTH2

Surface Laptop 3

10th Gen Intel

Windows 10

4K 60Hz x2

USBC-MSTH2

MacBook Pro

M1

MacOS

4K 60Hz x1

UD-3900C4

Surface Laptop 3

10th Gen Intel

Windows 10

1080p 60Hz x4

UD-MSTHDC

(日本未発売)

Lenovo Duet 3

Snapdragon 7c Gen 2

ChromeOS

1440x900 60Hz x1

 

3. 接続に使用するケーブル

Plugable 社製の MST 機器を使用する際には、ノート PC と製品、製品とモニタを接続するそれぞれのケーブルの性能にも注意が必要です。正しいタイプのケーブルを使用しないと、MST 機器が期待通りに機能しないことがあります。

MST ドッキングステーションとノート PC を接続する際の USB-C ケーブルは、「DisplayPort 代替モード」をサポートしている必要があります。Plugable 社製品の場合は、ドッキングステーションに同梱されてくる USB-C ケーブルを使用してください。

MST 機器とモニタを接続するには、「表示したい解像度とリフレッシュレートに対応した」ビデオケーブルが必要です。Plugable 社製機器の性能を最大限に利用するためには、DP 1.4 (最大データ帯域幅が 32.4Gbps)対応のケーブルを使用してください。このようなケーブルであれば、4K UHD 解像度 60Hz リフレッシュレートのモニタ 2 台を表示するのに充分なデータを送信できます。DisplayPort 入力ポートがある 4K モニタの多くには DisplayPort ケーブルが同梱されていますので、これを使用することを推奨します。

モニタとの接続や、表示解像度に関して何か問題がある場合は、システムと MST 機器、MST 機器とモニタを接続しているケーブルを別のものに取り換えてみて、それらのケーブルが問題の原因ではないことを確認するようにしてください。

 

4. デバイスドライバまたは OS(最新アップデートの適用)

ノート PC の OS に、MST 機器使用時の問題の原因があることがあります。たとえば、比較的新しい Intel 12 世代以降の CPU を搭載した Windows 10 および 11 のノート PC は、MST 機能をサポートしています。しかし、macOS は Ventura 13 の時点で、MST 機能をサポートしていません。

MST は比較的新しい技術で最近になって使用者が増えてきているため、いまだ潜在的なバグも抱えています。OS や、GPU 用のデバイスドライバに最新のアップデートを適用していることも、MST 機器の安定した使用には非常に重要な要素となります。

 

Plugable 製品について

Plugable 社製 MST 機器を使用していて何か疑問点や懸案点等がある場合は、「アマゾン注文番号」とともに Plugable 技術サポート nihongo@plugable.com までご連絡ください。Plugable 社の製品技術担当者が問題判別のお手伝いをさせていただきます。