この記事では、Plugable 社製 USB グラフィックス・アダプタ（USB グラフィックス変換アダプタ、USB ディスプレイ・アダプタ）製品のラインナップを紹介し、自分の環境に適した製品の選択方法について説明します。

Plugable USB グラフィックス製品について

Plugable 社の USB グラフィックス・アダプタは、信頼性の高い DisplayLink または Silicon Motion チップセットを採用しています。このどちらのメーカーのチップセットも品質が高く、専用デバイスドライバの更新も定期的におこなわれているため、ビジネス環境で安心して使用できます。特に DisplayLink 社製チップセットは長い実績のある技術を提供しており、Windows や macOS のメジャーアップデートにも迅速に対応します。

Plugable 社は、Silicon Motion 社製のチップセットも性能や安定性について検証したうえで、いくつかの USB グラ フィックス製品を提供しています。DisplayLink 社製チップセットに比べてよりシンプルで対応解像度に制限があるものの、超高解像度モニタなどが不要な、一般的な構成のシステムを利用するビジネスユーザーにとって、コストパフォーマンスに優れた製品を提供できます。

DisplayPort 信号のみが持つ MST 機能を使った USB-C グラフィックス・アダプタもあります。このタイプは、USB グラフィックス・チップなしで機能します。

自分のシステム環境に適した USB グラフィックス製品の選択

Plugable 社製の USB グラフィックス変換アダプタには様々なモデルがあります。

適した製品を選択するために、自分が接続したいと考えている環境（PC、モニタ）について整理することが必要です。下記の要素を確認してください。

（１） USB グラフィックス・アダプタを経由して接続するモニタ数

（２）接続するモニタの設定解像度とリフレッシュレート：1920x1080 120Hz、4K 60Hz など

（３）モニタの入力ポートの数と種類：HDMI、DisplayPort、USB-C、DVI、VGA（D-Sub）など 

（４）PC の接続ポート：USB 3.0（Type-A）または USB-C

（５）モニタ以外のデバイス（マウス、キーボード、USB フラッシュドライブ、有線 LAN など）の必要性

（６）デバイス・ドライバの導入可否

たとえば、モニタが WQHD（2560×1440 60Hz）解像度なら 1080p までの対応製品では不十分で、4K 60Hz 対応の製品を選択する必要があります。一方モニタの最大解像度が「1080p（1920x1080 60Hz）」解像度の場合、4K 表示対応のような比較的高価な USB グラフィックス製品は必要ありません。

また、USB グラフィックス・アダプタの出力を別の信号に変更することは推奨されていません。モニタの DisplayPort 入力ポートに接続したい場合は DisplayPort ポートに対応した USB グラフィックス製品を、VGA 入力ポートに接続したいなら VGA 対応製品を選択してください。

複数の外部モニタを接続する場合は、必要台数に応じた複数出力ポートがある USB グラフィックス・アダプタを選択できます。また、Plugable 社製 USB グラフィックス・アダプタであれば、複数を組み合わせて同じ PC で使用することが可能です。また、1 台の USB グラフィックス・アダプタで 2 台以上のモニタに対応しているモデルもあります。

もし（５）に該当し、モニタ以外の USB 機器等を同時に接続したい場合には、「USB グラフィックス・アダプタではなく、「USB / Thunderbolt ドッキングステーション」、「USB-C MST マルチハブ」等の利用を検討してください。

注意点：

一般に、75Hz、120 Hz、144 Hz など、60Hz を超えるリフレッシュレートを設定する必要がある場合、USB グラフィックス技術では対応できません。このような高リフレッシュレートは、ゲームなどの特殊な用途で使用されるのが普通で、一般的なビジネス・アプリケーションで必要となることはありません。

そのような高リフレッシュレートを要求するアプリケーションを必要とする場合は、GPU から直接グラフィックデータを出力するネイティブのグラフィックポートである HDMI ポートや、「DisplayPort 代替モード対応の USB-C ポート」、「Thunderbolt または USB4 対応ポート」などにモニタを接続してください。

（６）に該当し、PC が会社や学校から貸与されていてデバイス・ドライバを導入できない場合は、MST タイプの製品を選択してください。

MST 技術を使った USB-C グラフィックス・アダプタについて

USB グラフィックス技術は、外部デバイスに専用チップセットを必要とする「USB デバイス」に相当します。一方、外部モニタを接続する別の技術として、DisplayPort 信号が持つ「MST（マルチストリーム・トランスポート）機能」があります。

この機能は DisplayPort 1.2 から追加されており、PC に搭載された DisplayPort 1.2 以上のポートは通常この機能を提供しています。また、USB-C ポートのオプションである「DisplayPort 代替モード」は、その名の通り DisplayPort 信号を使用しているため、やはり MST 機能をサポートしています。

「USB-C DisplayPort 代替モード」と「USB グラフィックス機能」の違いについては、「DisplayLink 技術と代替モード グラフィック出力の違いについて」を参照してください。

MST（マルチストリーム・トランスポート）の詳細は、「MST 機能について」を、MST 機能で接続可能なモニタ台数と解像度については、「自分の PC システムが MST 対応かを確認する方法」を参照してください。

Plugable 社は、MST 機能を使った USB-C グラフィック変換アダプタ（USBC-MSTH2）を販売しています。これは「USB グラフィック機能」ではなく、「DisplayPort 代替モード対応の USB-C ポートが出力する DisplayPort 信号の機能」を使用したデバイスで、技術的に異なる製品です。この MST グラフィック変換アダプタを使用する際に、この機器用のデバイスドライバを導入する必要はありませんが、「グラフィック出力機能に対応した USB-C ポート」以外に接続することはできません。

Plugable 社製 USB グラフィックス・アダプタ（2024年8月現在）

• それぞれの製品詳細は、モデル名をクリックしてください。
• USB グラフィックス・アダプタの最大リフレッシュレートは 60Hz です。
• 日本での販売は全てアマゾンで行っています。製品保証と技術サポートを受けるために、正規販売元の Plugable Japan から購入してください。

*) 別売りの USBC-USBA ポート変換アダプタにより、USB-C ポートへの接続も可能

Plugable 社製 MST グラフィックス・アダプタ、マルチハブ

MST 機能を使ったグラフィックス機器を使用する場合、デバイスドライバを別途導入する必要はありません。ただし、システムの GPU 用デバイス・ドライバは最新に更新することをお勧めします。

4K@60Hz モニタを接続するには、USB-C ポートが DP 1.4 に対応している必要があります。DP 1.2 にしか対応していないポートに接続すると解像度は 1080p＠60Hz までに制限されます。

この記事の情報について質問がある場合は、Plugable 技術サポート nihongo@plugable.com までお問い合わせください。