Plugable USB 3.0 スイッチには、「ハードディスク、フラッシュドライブなどの外部記憶域機器との使用を推奨しない」と説明がありますが、なぜですか?

Last Update: June 17th, 2021
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Plugable 社製 USB スイッチは、切替ボタンが押されると周辺機器を PC から物理的に切り離し、別の PC に接続しなおすのと同じことを行います。この際、外部記憶装置のような機器で推奨される、ソフトウェア的に「事前に取り出す」「アンマウントする」機能に対応しているわけではありません。データの損傷などを最小限にするために、この切替器を使わないようにするか、切り替える前に「ソフトウェア的に事前切り離しをする」運用にしなければなりません。

このような運営はうっかり忘れてしまうことがあり、完全に安全な運営ができないことがあります。万が一データが破壊されることを避けるため、USB スイッチでは外部記憶域機器の使用を推奨していません。

ここより、もう少々詳しく説明します。外部記憶域機器に保存されたデータにアクセスするには、そのデータセット(ファイルシステム)は OS によりシステムに「マウント」されていなければなりません。例えば Windows の場合、外部記憶域がマウントされると「F:」などのドライブレターが表示されるようになります。このようにマウントされたデータセットが、アンマウントや取り外しの手順を取らずに急に切り離されると、ときにデータの破損が生じることがあります。たとえば、急にシステムから電源が失われたような場合、これが起こります。このような破損が想定されるため、Windows は電源不良やシステムクラッシュの起きた後には、再起動の際に記憶域に対し「チェックディスク(chkdsk)」と呼ばれる長いプロセスが実施されます。これと同じ理由で、以前に正しく取り外されなかった外部記憶域(USB フラッシュドライブなど)が再度接続された際に、「デバイスのエラーを確認してください」というメッセージが表示されることがあります。

これが、USB スイッチ(切替器)で外部記憶域機器を使用しない方が良い理由です。つまり、まだその外部記憶域にアクセスしている時にうっかり PC を切り替えてしまうと、同じようにデータの破損が起こる可能性があるからです。

外部記憶域機器を USB スイッチで切り替えながら使用したい場合、2つの方法があります。いずれかを採用すれば、データ破損の危険性が大幅に減らすことができます。

方法1:USB スイッチで PC をもう片方に切り替える前に、外部記憶域機器を OS から「取り出す」。これは、外部記憶域機器を物理的に取り外す前に推奨されている手順です。OS によって手順が異なります。

  • Windows: タスクバーまたは通知エリア内の「ハードウェアの安全な取り外し」をクリックして、該当機器を取り外す
  • Mac: Finder を開き、左側の「デバイス」カテゴリーの中から該当機器の隣にある「取り出し」アイコンをクリックする
  • Linux: GUI 内で該当機器をアンマウントするか、「umount」コマンドを使用する

方法2: [Windows のみ] OS 内の設定で、該当機器の「クイック取り外し」を有効にする。Windows 7 (またはそれ以降のバージョン)では、機器がポータブルタイプと認識されると自動的に有効になっていることが多いが、本当にそうなっているか確認する。(この設定が有効なときは、データ破損のリスクは「方法1」よりは高くなる点に注意してください。)

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