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USB グラフィック機器を介してシステムに追加できるモニタ数について

Written by Product Owners

Last published at: October 7th, 2024

 

概要

近年のノート PC は、システムのグラフィック出力ポートに直接接続できる外部モニタの数、つまり「ネイティブでサポートできる外部モニタ数」に制限があります。これらの制限は、ホストコンピュータの内部グラフィックス処理ユニット(GPU)の能力と、利用可能な物理グラフィックポート数によって決まります。

一方、もしも Plugable 社が提供しているような DisplayLink 社または Silicon Motion 社の USB グラフィック技術による製品を使えば、専用ソフトウェア・ドライバを導入する必要はありますが、USB ポート経由で複数の外部モニタをコンピュータに接続することができます。この際、ホスト・コンピュータのグラフィック出力数制限には関係ありません。

このような USB グラフィック技術によるグラフィックデータ出力機能はホストコンピュータの GPU に直接接続されていないため、通常「間接ディスプレイ(indirect display)」技術と呼ばれます。

 


USB グラフィック技術による追加モニタ接続数

USB 技術のような「間接ディスプレイ」による外部モニタ接続可能数は、様々な要因によって異なります。

  1.  ホストシステムの技術仕様
  2.  ホストシステムが実行している OS が対応する外部モニタ数制限
  3.  USB サブシステムが物理的に対応するデバイス数
  4.  使用する「間接ディスプレイ技術」の性能
  5.  接続するモニタの解像度

一般に、近年(2022 年以降)に販売されている多くのノート PC であれば、USB グラフィック技術を使って最低でも 4 台の外部モニタが接続可能です。OS やシステムの性能によっては最大 8 台も可能なモデルもあります。これは、システムが「ネイティブでサポートできる外部モニタ数(多くの場合 1 台~ 4 台)」に対し、さらに追加できる数です。

ただし対応できるモニタ数は、接続しようとするモニタの解像度やリフレッシュレートにも依存することに注意してください。

 


Plugable 製品がサポートするモニタ数

 

Windows

macOS

ChromeOS

DisplayLink 機器

8 - 1920x1080
4 - 3840x2160

4 - 3840x2160A

8 - 1920x1080
4 - 3840x2160B

Silicon Motion 機器

8 - 1920x1080
4 - 3840x2160

4 - 3840x2160

8 - 1920x1080
4 - 3840x2160

A. 合計モニタ数には、Apple 社が提供する Sidecar 機能によるものを含んでいます(Sidecar については Apple 社の情報「iPad を Mac の 2 台目のディスプレイとして使う」を参照してください。)

B. 4K 以上の超高解像度モニタを接続した場合の表示パフォーマンスは、接続したホストシステムの性能に依存します。一般に、ChromeBook システムは比較的性能が低い CPU や GPU を使用している傾向があり、パフォーマンスに影響が出ることがあります。
 


パフォーマンスおよび技術上の制限について

「間接ディスプレイ」技術を使っている Plugable 社製品がサポートするモニタの接続可能台数は、Plugable 機器を接続するシステムと OS によって異なります。

 

ホストシステムの性能とリソース

間接ディスプレイ技術とは、言い換えれば「仮想 GPU」のことであり、実際のグラフィックデータの生成には接続したホストコンピュータに物理的に内蔵されている CPU と GPU に依存しています。

「間接ディスプレイ」がホストシステムに追加されるたび、より多くの CPU と GPU リソースが必要になり、これがコンピュータとディスプレイの性能と安定性両方に影響を与える可能性があります。また、このようなシステムリソースへの負荷は、間接ディスプレイに表示されるコンテンツ(アプリケーション、ソフトウェア)の種類によって大きくことなります。例えばオフィス用アプリケーションは静的なコンテンツであり、動画再生編集やゲームなどの動的コンテンツに比べて少ないリソースしか必要としません。

 

USB 接続数制限

近年のノート PC には、接続できる USB デバイスの総数に制限があります。具体的には、システム上の USB ホストコントローラが管理できる USB 機器の上限が決まっています。

このような制限は、1 台のノート PC に多数の USB デバイスがすでに接続されており、そこにさらに複数台の「間接ディスプレイ」を(USB グラフィック機器等を介して)接続するような際に、実際に経験することがあり得ます。詳細については、「『USB コントローラ・リソースが足りません』というエラーについて」を参照してください。

この制限数については、PC システムの設計やモデル、あるいは使用している USB プロトコルの技術仕様に依存しており、一概に「何台までのデバイスが接続できる」と言えるものではありません。ただ、USB 3.0 以上のプロトコルをサポートしている近年のノート PC は、10年以上ほど前の USB 2.0 までしかサポートしていなかったシステムに比べ、この台数が少ないことは事実です。

USB 3.0 以上の USB デバイスを接続できるノート PC は、あまりに多くの USB 機器を接続できないように制限し、システム全体としてのパフォーマンス低下を避けるように設計されています。