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充電対応 USB-C ドッキングステーションに、ノート PC をずっと接続したままでも大丈夫ですか? あるいは時々充電器を取り外し、再度充電するべきですか

Written by Product Owners

Last published at: May 26th, 2023

Plugable 社は、PD ホスト充電対応の USB-C ドッキングステーションを複数製造販売しています。ユーザーの方々から、このようなドッキングステーションをノート PC に接続しっぱなしでも問題はないのかという質問を受けることがあります。

結論から言えば、「問題ありません」。一般に、ノート PC に付属してくるその PC 純正の電源に接続したまま、同じように長時間使い続けるのと差はありません。

ただしこれは、2010 年代以降に販売されたノート PC についての回答となりますのでご注意ください。それ以前、1990 年代や 2000 年代に販売されていた古い PC では当てはまらないことがほとんどです。この点に関しては、消費者向け電化製品の充電機能で使用される、さまざまな技術が関係しています。

ユーザーの方々からは他に、Plugable 社製ホスト充電可能な USB-C ドッキングステーションを接続している際に、ノート PC を「充電しないようにする」ことは可能かという質問を受けることがあります。

これに対しては「USB-C ドッキングステーション使用の際は、常に給電されている状態にする必要がある」とお答えしています。なぜなら近年のノート PC は、バッテリ駆動の場合に自動的にシステムを低電力消費モードにするモデルが多く、ドッキングステーションやそれに接続された様々なデバイス(モニタやキーボード、有線 LAN など)の正常駆動に悪影響を与えることがあるからです。したがってドッキングステーション使用中は、PD ホスト充電機能は無効にすることはお勧めできず、実際 Plugable 社の製品ではそうすることはできません。

Plugable 社製 USB-C ドッキングステーションが USB-C ポートから電力を供給することが、ノート PC 内蔵のバッテリーの寿命に影響を与えることはありません。

 

2010年ごろ以降のノート PC 内蔵リチウムイオン電池について

リチウムイオン電池は、ノートパソコンやスマートフォン、電気自動車、電動工具、ワイヤレスイヤホンのようなウェアラブル電子機器など、さまざまな消費者向け電気機器に搭載されています。 リチウムイオン電池は他の充電池と比べて急速充電しやすく、大容量電流が可能、寿命が長いことが特徴で、価格も比較的安価です。

充電が可能な電池の寿命は、非常に様々な要因によって決まります。例えば経年劣化、使用環境の温度、充電パターン、使用形態、特定の電池の化学組成などです。

例えば 100% まで充電された電池は、50% 充電された電池よりも早く劣化します。このためほとんどのリチウム電池が内蔵された電化製品は、25% ~ 75% の充電状態でメーカーから出荷されています。

リチウムイオン電池は消耗品ですが、近年のパソコン、スマートフォン、タブレット端末のほとんどでは、ユーザーが取り替えることはできません。よってほとんどのノート PC は、内蔵されたバッテリーの状態を維持するために「充電・保護回路」が搭載されています。この回路には、充電レベルに応じて事前設定されたレートで充電をするというシンプルなものから、バッテリーの温度、電圧、電流を監視してバッテリーの寿命を最大限維持しつつ最速の充電ができるような、ソフトウェアによる複雑な制御機能を持つものもあります。

近年販売されているノート PC に関しては、純正の電源アダプタまたは、ホスト充電可能なドッキングステーション経由で充電する際には、長時間接続したままにしておくことができます。定期的に放電したり充電スケジュールを決めてアダプタをとりはずすなどをしても、特にそれをすることによるメリットはありません。

Plugable 社製のホスト充電可能な USB-C ドッキングステーションは、USB Type-C PD 充電規格に準拠した充電を行います。この「PD 充電規格」は、ホスト PC システムとドッキングステーションまたは電源アダプタ間で従うべき充電プロトコルであり、これによって PC は必要な電力のみを受け取り、最適な電圧レベルを選択できます。これを PC 内蔵のバッテリー充電コントロール機能と組み合わせることで、電源に長時間接続したままでも、バッテリーを最適な状態に保つことができるようになっています。

 

1900 年代、2000 年代のノート PC 内蔵 NiCad および NiMH 電池について

1990年代から2000年代初頭に販売されていた古いノート PC や一部の家電製品の充電電池、そしてほとんどの充電式単三・単四電池には、ニッケルカドミウム(NiCad)電池やニッケル水素(NiMH)電池が使われています。これらの電池はリチウムイオン電池に比べて充電および放電時間が長く、非常にシンプルな充電機能しか持ちません。しかし必要な場合には、トリクル充電(超低電流での連続充電)が可能です。

これらのバッテリーは一般にはスマート充電機能を備えておらず、バッテリーを長持ちさせるためには、「トレーニング」または完全放電と再充電を頻繁に繰り返す必要がありました。 多くのノート PC メーカーは、バッテリーの状態を良好に保つため、新しいノートパソコンを 2、3 回完全に充電・放電することを推奨していました。しかし、最近のノートパソコンではこれは不要です。

 

結論

近年(2020 年以降)に販売されているノート PC のバッテリーは内蔵のバッテリー充電管理機能によって最適な状態に保たれており、ユーザーがこれに介入する必要はほぼありません。そしてノート PC が定期的に使用されている限り、PC が外部電源に接続されたままになっていても、バッテリーに悪影響はありません。

もしノート PC を長期間使用しない場合は、バッテリーを 50 ~ 75% の状態で保存すると、バッテリー寿命を維持することができます。

バッテリーは消耗品であり時間とともに劣化していきますが、近年のノート PC ではバッテリー寿命を、パソコンの他の電子部品と同等かそれ以上に伸ばすことが可能となっています。